地方の住み込みの仕事一覧|50代・60代や夫婦でも働きやすい職種と選び方

定年が見えてきて、これからの働き方と住まいをまとめて見直したいと考える方もいるのではないでしょうか。新しい土地で仕事を探しながら部屋も借りるとなると、準備だけで疲れてしまいますよね。住まいと仕事が一度に決まる住み込みの仕事なら、その負担をぐっと減らせるでしょう。

なお、住み込みというと地方へ移るイメージがありますが、地方から都市部へ移る人もいます。ただし、職種によって50代・60代や夫婦での働きやすさは大きく違うため、自分たちに合う仕事を見きわめることが欠かせません。この記事では、地方の住み込みの仕事を50代・60代や夫婦に向けて紹介します。

地方における住み込みの仕事一覧


住み込みの仕事は、管理人のように年単位で腰を据えるものから、数か月で区切るリゾートバイトまで幅があります。同じ住み込みでも、働く期間や夫婦で応募できるかどうかは職種によってかなり違うものです。50代・60代が長く働くことを考えるなら、期間の長さと体力面の負担は特に見ておきたい点でしょう。年齢や家族構成に合わせて比べてみると、自分たちが無理なく続けられる職種が見えてきます。

職種期間の目安50〜60代の働きやすさ夫婦での応募体力面待遇
寮やマンションの管理人年単位未経験や定年後から始める人も多い夫婦の求人が多い拘束時間は長いが力仕事は少なめ住居費・光熱費が会社負担の求人が多い
旅館・ホテルのスタッフ数か月〜年単位接客の経験があると働きやすい夫婦の求人もある中抜けや夜の勤務がある寮つき・食事つきの求人が多い
リゾートバイト・工場数か月若い人が中心少なめ立ち仕事や交代制がある寮費無料が多いが契約期間で終わる
農業季節ごと体力に自信があれば働ける夫婦の求人もある屋外の作業で体力が要る寮つきの求人がある
介護施設年単位資格や経験があると働きやすい少なめ夜勤や介助で体力が要る寮つきや資格手当の求人がある

寮やマンションの住み込み管理人

住み込みの管理人は、寮やマンションに住み込み、建物の見回りや受付などを担う仕事です。数か月で契約が終わる仕事とは違って年単位で働けるため、腰を落ち着けて暮らしたい50代・60代に向いています。二人一組で任される現場が多く、夫婦で応募できる求人が多いのも特徴です。朝早くから夜まで建物にいるため拘束時間は長めですが、重い荷物を運ぶような力仕事は多くありません。

旅館・ホテルの住み込みスタッフ

旅館やホテルの住み込みスタッフは、全国の観光地に求人があり、働く地域を選びやすい仕事です。夫婦で応募できる求人もあり、温泉地などで二人一緒に働く人もいます。ただ、朝食と夕食の時間に合わせて働くため、昼に数時間の中抜けをはさむ勤務になりやすい点には注意が必要です。夜遅くまでの勤務や立ち仕事も多く、ある程度の体力が求められるでしょう。

リゾートバイト・工場などの短期の仕事

リゾートバイトは、スキー場や海辺のホテルなどで、繁忙期に合わせて数か月だけ働く仕事です。工場の期間従業員も、契約期間を区切って寮に住みながら働く形が中心です。働いているのは20代・30代が多く、50代・60代が長く続けるには向いていない面もあります。とはいえ、移住先の候補の土地で数か月だけ暮らしてみたい人には、お試しの移住として使いやすい働き方です。

農業や介護施設の住み込みの仕事

農業の住み込みは、農家や農業法人のもとで野菜や果物の収穫などを手伝う仕事です。収穫の時期に合わせた募集が多く、季節によって仕事の内容も忙しさも変わります。屋外での作業が続くため、体力に自信がある人向けといえます。

介護施設の住み込みは、施設の近くの寮に住みながら入居者の生活を支える仕事です。夜勤があり体への負担はあるものの、介護職員初任者研修などの資格があると応募できる求人が広がり、待遇の面でも有利です。

地方における住み込みの仕事のメリット・デメリット

住み込みの仕事は、住まいと仕事が一度に手に入る手軽さがある反面、暮らし全体が仕事と結びつく働き方でもあります。お金の面でのよさだけを見て決めると、働き始めてから思い描いていた暮らしと違うと感じるかもしれません。特に50代・60代は、この先何年続けられるかを考えながら選びたいところです。よい面と大変な面の両方を知っておけば、自分たちの暮らしに合うかどうかを落ち着いて判断できるはずです。

住み込みの仕事のメリット

住み込みの仕事は、住居費や光熱費がかからない求人が多く、お金を貯めやすいことがメリットです。例えば、家賃と光熱費に毎月8万円かかっていた場合、5年で480万円を払わずに済みます。職場と住まいが同じ建物にあるため、通勤がないのもうれしい点です。さらに、管理人の仕事などには夫婦で一緒に働ける求人があります。二人分の収入を得ながら同じ場所で暮らせるため、お互いの体調の変化にも気づきやすくなるはずです。

住み込みの仕事のデメリット

住み込みの仕事は、勤務時間が長くなりやすい点に注意が必要です。寮の管理人や旅館のスタッフは朝食と夕食に合わせて働くため、勤務が朝と夕方に分かれ、職場にいる時間が長くなります。休みの日も職場から離れにくいのも、住み込みならではの悩みです。自分の部屋が職場の建物のなかにあるため、休日でも入居者に声をかけられることがあります。

そして、仕事を辞めると住まいも失います。体調を崩して働けなくなったときにも部屋を手放すことになるため、辞めた後にどこで暮らすかを先に考えておくと安心です。

なお、管理人の仕事における実情は、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、あわせてご覧ください。

地方における住み込みの求人を選ぶときに確かめたいポイント

地方における住み込みの求人は、同じ職種でも会社や現場によって条件が大きく違います。住まいつきと書かれていても、家賃は無料で光熱費は自己負担という場合もあれば、家具や家電を自分でそろえなければならない場合もあるでしょう。

応募する前に押さえておきたいのは、待遇と住環境、体力面の3つです。どれかを見落とすと、移り住んでから思わぬ出費や疲れにつながりかねません。求人票と面接の両方で一つずつ聞いておけば、納得したうえで働き始められます。

待遇|給与と、会社が負担する費用

給与を見るときは金額だけでなく、会社がどこまで費用を負担してくれるかも確認しましょう。家賃は無料でも光熱費は自分持ちという求人もあるため、毎月手元に残るお金で比べることが大切です。引越し費用は、会社が負担してくれる場合も上限が決まっていることがあります。

雇用形態と社会保険も、忘れずに確かめたい項目です。正社員か契約社員かによって、社会保険に入れるかや定年の年齢が変わります。50代・60代であれば、何歳まで働けるかも求人票で見ておきましょう。

住環境|部屋の広さと、持ち込めるもの

住み込みの部屋は、間取りや広さが現場ごとに違います。家具や家電が備え付けでない場合は今使っているものを持ち込めますが、部屋に入りきらないこともあるため、間取り図をもらって置き場所を考えておきましょう。

一緒に住める家族の範囲や、ペット・車の持ち込みにも決まりがあります。子どもと同居できる年齢が決まっていたり、ペットや自家用車を認めていなかったりする求人も少なくありません。今の暮らしで手放せないものがある人は、応募の前に問い合わせておくと安心です。

体力面|勤務時間と、休める仕組み

体力面で気にかけたいのは、勤務時間の長さと仕事の中身です。立ち仕事が続くのか、夜に呼び出されることがあるのかで、体への負担は変わります。求人票の実働時間だけでなく、何時から何時まで建物にいる必要があるかも聞いておくとよいでしょう。

休める仕組みも欠かせない視点です。休憩中に外出できるか、体調を崩したときに代わりの人が来てくれるかがわかれば、無理をせずに働き続けられます。

50代・60代の夫婦が選んでいる寮長寮母の仕事

地方の住み込みの仕事のなかでも、50代・60代の夫婦が長く働く場として選んでいるのが寮長寮母の仕事です。寮長寮母は、全国の学生寮や社員寮に住み込み、寮で暮らす学生や若い社会人の毎日を支えます。

特別な資格は要らず、未経験から始める人が多いのも特徴です。子育てが一段落した後や定年を迎えた後に、第二の人生として選ぶ人もいます。仕事の中身と1日の流れを知っておくと、自分たちに合う働き方かどうかを判断しやすくなるでしょう。

寮長寮母の仕事内容|管理と調理を二人で分担する

寮長寮母の仕事は、寮の管理と食事作りを二人で分担するのが基本です。管理の担当の主な仕事は、次のとおりです。

  • 館内の見回りと共用スペースの清掃
  • 大浴場の管理
  • 受付での来客対応と配達物の受け取り
  • 簡単なパソコン作業

毎日顔を合わせる寮生と言葉を交わし、ちょっとした変化に気づくことも管理の担当の役目といえます。調理の担当は、寮生に出す朝食と夕食を作ります。食材の切り方から調理の手順までマニュアルにまとめられており、入社時の研修で基本から学べるため、専門的な調理の経験は要りません。調理補助のパートスタッフと一緒に作る現場もあり、一人ですべてを抱え込まずに済みます。実際に、家庭料理しか作ったことがなかった人も、今では寮を支える一員として働いています。

寮長寮母の1日|朝5時の朝食作りから夜の見守りまで

寮長寮母の1日は、朝5時ごろの朝食作りから始まります。ある寮での1日の流れは、次のとおりです。

  • 5:00ごろ|調理の担当が朝食の準備を始める
  • 6:30ごろ|寮生に朝食を出す
  • 7:00ごろ|管理の担当が館内を見回り、出かける寮生を「いってらっしゃい」と見送る
  • 午前|管理の担当は荷物や郵便の受け取りと来客の対応、調理の担当は片付けと食材の発注
  • 昼|中抜けの休憩
  • 16:00ごろ|調理の担当が夕食の準備を始め、管理の担当は帰ってきた寮生に「おかえり」と声をかける
  • 18:30|夕食を出す
  • 22:00過ぎ|調理の担当が片付けと翌日の準備を終え、管理の担当は外泊届を確認して寮生が帰ってきているかを見届ける

朝早くから夜遅くまで寮にいるため、拘束時間は長めです。ある求人では、管理の担当が7時から21時、調理の担当が5時から23時までの勤務時間で、実際に働くのは7時間程度とされています。

そこで鍵になるのが、昼の中抜けの使い方です。夫婦の場合は、どちらか一人が寮に残っていれば外出できるため、交代で買い物に出たり、部屋で横になったりして休む時間を作っている人もいます。

寮長寮母の1日の流れは、以下のページでも詳しく紹介していますので、気になる方はあわせてご確認ください。

寮長寮母の待遇と住まい|家賃・光熱費0円、引越し費用も会社負担

寮長寮母の求人は、家賃と水道光熱費を会社が負担し、住まいにかかる費用が0円のものが中心です。採用時の引越し費用も会社が業者を手配して負担してくれますが、上限や対象外の費用などの決まりがあるため、遠方から移る場合は事前に問い合わせておきましょう。

一方で、住まいには知っておきたい条件もあります。住み込みの部屋にはエアコンや風呂などの設備はあるものの、家具や家電の備え付けはなく、今使っているものを持ち込むのが基本です。ペットは飼えず、自家用車も原則として持ち込めません。求人によっては、契約社員の定年を65歳とし、66歳以降も業務委託として働き続けられる場合があります。50代から始めても、長く続けやすい仕事です。

寮長寮母の勤務地|地方都市から首都圏まで

寮長寮母の求人は、北海道から九州まで全国にあります。栃木県の宇都宮市や福岡県の春日市などの地方都市にも寮があり、首都圏は特に求人の多い地域です。寮長寮母のなかには、地方から都市部の寮へ移った先輩もいます。北海道で運送業をしていた寮長は、体力的にきつくなってきたことや毎年の雪かきの負担から、子どもたちの独立をきっかけに雪のない土地で暮らしたいと考えるようになったそうです。今は都内の学生寮で働き、住み込みなので地方から上京しやすく、経済的なメリットも大きいと話しています。

夫婦だけでなく単身で住み込む求人もあり、一人で新しい土地へ移りたい人も選べるのが寮長寮母の仕事のよさです。

まとめ

地方の住み込みの仕事は、管理人やリゾートバイトなど職種によって、働ける期間も体への負担も違います。50代・60代や夫婦で選ぶなら、何年続けられるかを軸に、待遇・住環境・体力面の3つを一つずつ見ていくことが大切です。なかでも寮長寮母は、住まいにかかる費用を抑えながら、夫婦や単身で長く働ける仕事のひとつです。住まいと仕事をまとめて見直したい方は、これからの暮らしに合う働き方として選択肢に加えてみてください。

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