若者の“見えない負担”を支える。データで見る寮長寮母の社会的意義

毎年、たくさんの若者が進学や就職で親元を離れ、都市へと出ていきます。慣れない土地での一人暮らしには、お金や孤独、食生活といった、見えにくい負担がついてまわります。

この記事では、公的データからその実態を確かめながら、若者の暮らしをいちばん近くで支える「寮長寮母」という仕事の社会的な意味を考えます。

毎年十数万人が、親元を離れて都市へ


総務省の調査によると、2024年、東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)は13万5千人あまりの転入超過となりました。外国人を含む集計を始めた2014年以来、11年連続の転入超過です。

その中心は若い世代で、年齢別の転入超過は20〜24歳が最も多く(約8万7千人)、次いで25〜29歳、15〜19歳と続きます(総務省「住民基本台帳人口移動報告」2024年)。
これは、進学や就職を機に故郷を離れて移り住む、という多くの若者のライフスタイルを映したものです。つまり毎年、十数万人規模の若者が、10代後半から20代前半で初めて親元を離れ、慣れない土地で一人暮らしを始めているという現実があります。

国も「過度な東京一極集中」を課題に挙げており、その受け皿となる都市では、若者の住まいと暮らしをどう支えるかが問われ続けています。
地方では若い担い手が減る一方、都市には若者が集中する。この偏りは、都市で暮らし始める若者が今後も高い水準で続くことを意味します。

一人暮らしの若者が抱える「見えにくい負担」

親元を離れた若者の生活には、外からは見えづらい負担が重なります。大きく分けると、お金・孤独・食の3つが挙げられます。

01.お金の負担

全国大学生活協同組合連合会の調査では、一人暮らしの大学生への仕送りは月平均で約7.5万円、毎月の生活費は13万円前後にのぼります。
加えて、いまや大学生の約2人に1人が奨学金を利用しています(日本学生支援機構「学生生活調査」では大学昼間部で55.0%)。
その多くは卒業後に返済が必要な貸与型で、返済総額は平均で300万円を超えるとされます。

学費も物価も上がるなか、仕送り・アルバイト・奨学金を組み合わせて、ぎりぎりで暮らしを回している若者は少なくありません。都市部では、家賃や食費の負担がとりわけ重くのしかかります。

02.孤独の負担

内閣府の全国調査では、孤独感が「ある」と答えた人は全体で4割前後にのぼり、なかでも20〜30代で高い傾向が続いています。
進学や就職で親元や地元の人間関係から離れ、新しい環境で一から関係を築く若い世代は、頼れる相手がすぐそばにいない状況に置かれがちです。

SNSでつながっているようでいて、日常のちょっとした不調や困りごとを打ち明けられる相手が近くにいない。そんな孤立が、静かに広がっています。

内閣府の調査では孤独感が最も高いのは30代とされ、20代も同様に高い水準にあります。
学生から社会人になりたての時期は環境の変化が大きく、人とのつながりが揺らぎやすい時期でもあるのです。

03.食の負担

農林水産省の調査では、20〜39歳で朝食を週4〜5日以上食べない人が男性で約3割、女性で約2割。一人暮らしの若い世代ほど食生活が乱れやすい傾向があります。
朝食の欠食は集中力や生活リズムにも影響するとされ、学業や健康の土台をゆるがしかねません。

さらに内閣府の調査では、誰かと食卓を囲む「共食」の機会が少ない人ほど孤独を感じやすいことも示されています。一人でかんたんに済ませる食事が続くことは、栄養だけでなく心の面でも負担になり得るのです。

近年は、家族と離れて一人で食事をとる「孤食」の広がりも指摘されており、若い単身世代ほどその傾向が強まっています。
そして、これらの負担は昔よりも、見えにくくなっています。かつては下宿の大家や近所付き合いが若者を気にかける場面もありましたが、そうしたつながりは薄れました。

核家族化や共働きが進み、親もまた、遠く離れた子どもを日常的に支えることが難しくなっています。
困っていても声を上げにくい若い世代にとって、生活の場そのもので見守ってくれる存在の価値は、むしろ大きくなっているのです。

その負担に、生活のいちばん近くで応える存在


こうした「お金・孤独・食」の負担に、日々の暮らしのすぐそばで応えているのが、寮長寮母です。寮に住み込み、食事の用意から毎日の見守りまでを担います。

その支えは、3つの負担に自然と対応しています。住まいが用意され、住居費や光熱費がかからない寮は、お金の負担を軽くします。
栄養バランスの整った食事を決まった時間に用意することは、食生活の乱れを防ぐと同時に、“誰かと食べる”という共食の機会にもなります。

そして、朝夕の挨拶や見守り、困ったときの一声は、孤独をやわらげ、いざという時の安心につながります。
実際に支えられている寮生からは、こんな声が届いています。

上京して不安だったことが、おふたりのおかげでなくなりました。 (学生さん)

毎日そのご飯を楽しみに、大学から帰ってきています。お二人のおかげで、安心して暮らすことができています。 (学生さん)

毎朝の「行ってらっしゃい」の一言で、憂鬱な気分の時でも元気をもらっています。 (学生さん)

しかも寮長寮母の支えは、一度きりではありません。入寮から卒業までの数年を、同じ屋根の下で見守り続けます。
日々の小さなやりとりの積み重ねが信頼になり、卒業後に近況を報告しに訪ねてくる卒寮生も少なくありません。顔の見える、継続的な支えを担えることも、この仕事の特徴です。

無事卒業できたのも、日々の生活を支えてくれた寮長・寮母さんのおかげです。改めて、ありがとうございました。 (卒業する学生さん)

お二人の存在が、第2のお父さん・お母さんのように感じています。 (学生さん)

データが示す3つの負担に、寮長寮母は住まい・食事・毎日の関わりを通じて同時に応えています。都市に出た若者が安心して暮らせる足場をつくるこの仕事は、社会的にも大きな意味を持っています。

支えを必要とする若者は、広がっている

支えを必要としているのは、日本人の大学生だけではありません。
近年は、日本で学ぶ留学生や、地方から出てきた若い社会人も増えています。寮によっては、日本人と留学生がほぼ半々で暮らし、国籍や年齢を越えて食堂でにぎやかに交流する光景も見られます。

言葉や生活習慣の違いに不安を抱える留学生にとって、寮長寮母の存在はいっそう心強いものです。

入寮当時は言葉や生活習慣の違いに不安もありましたが、寮母様の優しい励ましや、困った際の迅速なご対応により、安心して日々を過ごすことができました。 (留学生)

多様な背景を持つ若者が、同じ屋根の下で安心して暮らせる。その土台を日々つくっているのが、寮長寮母です。

支える担い手も、いま求められている

一方で、その担い手もまた、社会から必要とされています。少子高齢化で人手不足が続くなか、シニアの就労意欲は高く、65歳以上の就業率は25.7%、就業者数は930万人と21年連続で増えています(総務省「労働力調査」2024年)。
長年の家事や子育て、仕事で培った経験を、人を支える仕事に活かしたいという人にとって、寮長寮母は有力な選択肢です。

内閣府の調査でも、高齢者が働く理由には「収入のため」に加えて、「自分の知識や経験を生かせるから」「働くのは体によいから」といった声が挙がっています。人の役に立ちながら社会とつながれる寮長寮母は、そうした願いにもかなう仕事です。

しかも、この仕事は特別な資格や技術がなくても担えます。食事は会社の献立とレシピ、マニュアルに沿って用意し、着任前には研修があります。

住み込みで、夫婦でも単身でも働け、配属後は地区長や本社がフォローするため、はじめての方でも一人で抱え込むことはありません。
セカンドキャリアとして始める方も多く、60代・70代で現役の方も少なくありません。「若者を支えたい」という気持ちがあれば、経験がなくても踏み出せる仕事です。

住み込みで働くという選択

この仕事は、支えられる若者だけでなく、働く側にとっても合理的な選択です。住み込みで働くため通勤の負担がなく、住まいが用意されて住居費や光熱費はかかりません。
物価高が続くなか、支出を抑えながら働けることは、日々の家計にも、将来の備えにも効いてきます。

夫婦で同じ職場に立てるため、二人で力を合わせて働き、生活のリズムを共有できるのも特徴です。人の暮らしを支える手ごたえと、暮らしの安定。その両方を得られる働き方だといえます。

まとめ

毎年、多くの若者が親元を離れて都市へ出て、お金・孤独・食という見えにくい負担を抱えています。その一人ひとりの暮らしを、いちばん近くで支えるのが寮長寮母です。

社会にとって意味のある役割でありながら、未経験でも、住まい付きで、夫婦でも単身でも始められます。

少子高齢化が進む日本で、若者を支える人手も、その担い手として活躍できる場も、これから一層必要とされていきます。
「人の役に立つ実感のある仕事がしたい」という方は、まずは説明会やキャリア登録で話を聞いてみてください。

出典・参考データ

総務省「住民基本台帳人口移動報告(2024年)」
総務省「労働力調査」
内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」
農林水産省「食育に関する意識調査」
全国大学生活協同組合連合会「学生生活実態調査(第61回)」
日本学生支援機構「学生生活調査」
※寮生の声は、寮長寮母への感謝メッセージ企画に寄せられた実際の回答です(本人の了承を得て匿名で掲載。読みやすさのため一部表記を整えています)。数値は各調査の公表時点のものです。

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