親子でできる仕事とは?一緒に働くメリット・注意点をそれぞれの立場から解説

親の定年や子どもの転職をきっかけに、「親子で一緒に働けたら」と考えたことはないでしょうか。しかし、親子でできる仕事と調べると、子連れで働ける仕事や子育て中の方向けの求人ばかりが出てきますよね。大人になった親子が同じ仕事をするための情報は、意外と見つけにくいものです。

親子で働くことには、家族だからこそのよさがある一方で、家族だからこそ言い出しにくいこともあります。始める前に両方を知っておけば、親子の関係を大切にしながら働き方を選べるでしょう。

この記事では、大人になった親子が一緒にできる仕事の例と探し方を、親と子それぞれの立場から見たメリットや不安とあわせて解説します。

親子でできる仕事の具体例

親子で働くといっても、毎日同じ場所で肩を並べる働き方もあれば、同じ会社に勤めながら持ち場は別という働き方もあります。そして、親子それぞれの体力や、一緒に過ごしたい時間の長さによって向いている形は異なるものです。

だからこそ、最初に考えておきたいのが、どのような形で一緒に働くかです。まずは、大人の親子が選びやすい4つの働き方の特徴を、始めやすさや収入の安定とあわせて確認しておきましょう。

家業を継ぐ・親子で開業する

親の代から続く商売を子どもが継いだり、親子で新しくお店を開いたりするのも選択肢のひとつです。飲食店や農業など、親が長く続けてきた仕事を子どもが引き継ぐケースは昔から多く、フランチャイズに親子で加盟する人もいます。家業や開業は自分たちで決められることが多く、親の経験をそのまま生かせるのが魅力です。

ただし、新しく始める場合は店舗の準備や設備に費用がかかり、売上が安定するまでにも時間が必要です。親の退職金や貯金をつぎ込むことになりやすいため、どのくらいの期間で軌道に乗せたいかを親子で話し合ってから始めるとよいでしょう。

清掃やビル管理など、ペアやチームで動く仕事

同じ会社に親子それぞれが雇われ、ペアやチームで現場を担当する形です。ビルの清掃やマンションの設備点検などは複数人で手分けして進めることが多く、未経験から始められる求人もたくさんあります。開業のような初期費用はかからず、給料も毎月決まって入るので、収入の見通しが立てやすい働き方です。

ただし、配属先やシフトは会社が決めるため、親子が必ず同じ現場になるとは限りません。一緒に働きたい場合は、応募の段階で親子であることを伝え、同じ現場で働けるかを確認しておきましょう。

管理人など、二人体制の住み込みの仕事

寮やマンションの管理人など、職場に住み込んで二人一組で任される仕事もあります。親子で同じ建物に暮らしながら働く形です。住み込みの仕事は夫婦向けの求人が多く、親子では応募できないと思われがちです。

しかし、求人によっては家族2名での応募を受け付けている場合もあります。住居費の負担が軽くなる求人なら、親の老後のお金や子どもの貯金を残しやすいでしょう。その反面、勤務時間が朝と夜に分かれていたり、休みの日も職場から離れにくかったりと、暮らし全体が仕事と結びつくことは覚えておきたい点です。

在宅やオンラインで分担できる仕事

パソコンを使って自宅で進める仕事を、親子で分担する働き方もあります。例えば、ネットショップの運営なら、子どもが商品ページの作成や発送を担い、親が仕入れや問い合わせへの対応を受け持つといった分け方ができます。

通勤がなく、離れて暮らす親子でも一緒に取り組めるのが大きな利点です。親の体力に合わせて作業量を調整でき、介護や子育てとの両立もしやすい働き方といえるでしょう。ただし、軌道に乗るまでは収入が不安定になりがちです。最初は今の仕事を続けながら小さく始め、手応えを見てから比重を増やすと、親子どちらにも無理がかかりません。

親子で働くメリット|親側・子ども側それぞれの視点

親子で働くよさは、一緒にいられる安心感だけではありません。同じ仕事をしていても、親にとってのよさと子どもにとってのよさは少しずつ違います。それぞれの立場から見たメリットを知っておくと、親子で働く意味をお互いに言葉にしやすくなり、働き始めてからの納得感にもつながります。

親側から見たメリット

親にとっての一番のメリットは、定年を迎えた後も役割と収入を持ち続けられることです。年齢を理由に再就職先が見つかりにくい時期でも、子どもと一緒なら挑戦できる仕事の幅が広がります。体力が要る作業を子どもと分けられるのも心強い点です。重い荷物を運ぶ作業など、年齢とともにつらくなる仕事を子どもが担い、親は経験を生かせる段取りや接客を受け持つといった分担ができます。

離れて暮らしていた子どものそばで暮らせるようになる人もいます。毎日顔を合わせられることで、老後の一人暮らしへの心細さが和らぐのではないでしょうか。

子ども側から見たメリット

子どもにとっては、気心の知れた相手と働けることが大きな魅力です。職場の人間関係に疲れた経験がある人ほど、遠慮なく相談できる相手が隣にいる心強さを実感できるでしょう。また、親の体の変化に早く気づけるのも、一緒に働くからこそのメリットです。電話の声だけでは疲れや物忘れに気づきにくいですが、毎日同じ仕事をしていれば、動きの変化や体調の波にすぐ気づき、病院に行くきっかけをつくれます。

親が長年積み上げてきた経験を受け継げることも見逃せません。仕事の段取りや人との接し方など、本や研修では学べない知恵を間近で吸収できます。

親子で働く前に知っておきたい注意点と不安

家族だから気をつかわなくてよいという気楽さは、裏返すと言いにくいことを抱え込みやすいということでもあります。親子で働くメリットの多くは、そのまま悩みの種にもなりえます。親子とはいえ、抱えやすい不安の中身も同じではありません。お互いの不安を前もって知っておけば、相手が口に出さない心配にも気づきやすくなり、早めに声をかけられるはずです。

親側が抱えやすい不安

親が抱えやすいのは、自分が子どもの将来の足を引っ張っていないかという不安です。子どもが自分のために転職の機会を逃しているのではないかと、申し訳なさを感じる人は少なくありません。

また、体力が落ちたときに迷惑をかけないかという心配もあります。今は元気でも、5年後や10年後に同じように働けるとは限らず、子どもが一人で仕事を抱えるかもしれないと考えると、ためらう気持ちが生まれるのも無理はありません。こうした不安を、子どもに気をつかって口にしない親も多くいます。働けなくなったときにどうするかを最初から話題にしておくと、親も気持ちを打ち明けやすくなります。

子ども側が抱えやすい不安

子ども側が抱えやすいのは、仕事のうえで親に意見しにくいという悩みです。やり方を変えたほうがよいと思っても、親の長年のやり方を否定するようで言い出せないことがあります。

さらに、自分のキャリアがここで止まってしまわないかという不安を抱える人もいます。親と同じ仕事を続けるうちに、ほかの職場で通用する経験が積めなくなるのではないかと、迷いが生まれることもあるのです。

また、結婚している場合は、配偶者がどう思うかも気になるところです。きょうだいがいれば、親と一緒に働くことをどう受け止めるかに気をもむこともあるかもしれません。家族の誰かに負担や不公平感が偏らないよう、早めに相談しておくと安心です。

親子の関係で起きやすいこと

親子で働くと、仕事のけんかがそのまま家に持ち込まれやすくなります。職場で言い合いになっても帰宅すればまた顔を合わせるため、気持ちを切り替える時間が取りにくいのです。

また、周りに同僚がいる職場では、親子の遠慮のないやり取りが、ほかの人に気をつかわせてしまうこともあります。職場では名前で呼び合う、仕事の話は仕事の場で済ませるなど、公私を分けるルールがあるとよいでしょう。

さらに気をつけたいのが、家計の収入源が1つにまとまることです。同じ職場で働いていると、会社の業績が悪くなったときや仕事を辞めるときに、親子の収入が同時に途絶えてしまいます。どちらかが別の収入を持つ、貯金を多めに残すなど、共倒れを防ぐ備えも考えておくことが大切です。

家族で一緒に働く際、事前に話し合っておきたい内容については、以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はあわせてご覧ください。

親子で働ける仕事の探し方と、始める前に話し合いたいこと

親子で働ける仕事は、求人を探すだけでは見つけにくいことがあります。求人の多くは、一人ずつの応募を前提にしているためです。

そのため、探すときの言葉選びや問い合わせ方に少し工夫が必要です。仕事が決まる前に、親子で決めておきたいこともいくつかあります。探し方と話し合いをセットで進めると、働き始めてからの行き違いを減らせます。

「2名」「ペア」「家族」で求人を探す

求人サイトで親子で働ける仕事を探すときは、2名やペアといった言葉を職種名と組み合わせて検索すると、二人一組で働く求人を効率よく探せます。住み込みの仕事なら、住み込みと家族を掛け合わせて探すのもひとつの方法です。夫婦向けとして出ている求人でも、親子で応募できる場合があります。求人票に夫婦と書かれていても諦めず、親子での応募を受け付けているかを問い合わせてみてください。

住み込みの仕事では、住まいの条件まで確かめておくことも欠かせません。親子それぞれの個室があるか、家具や家電を持ち込む必要があるかによって、暮らしやすさは大きく変わります。

役割分担・お金の分け方・見直す時期を決めておく

働き始める前に親子で決めておきたいのが、役割分担とお金の分け方です。どちらがどの作業を受け持つか、給料を親子それぞれが受け取るのかを、あいまいなままにしないようにしましょう。家業や開業の場合は、利益の分け方まで話しておくと、後でもめにくくなります。

あわせて話しておきたいのが、働き方を見直す時期です。親の体力が落ちたときや介護が必要になったとき、子どもが結婚や転職を考えたときなど、親子の暮らしは数年で大きく変化します。どのような状態になったら働き方を見直すかを最初に決めておけば、いざというときに切り出しやすいはずです。

親子二人で働く選択肢のひとつ、寮長寮母という仕事

二人体制の住み込みの仕事の例に、学生寮や社員寮で寮生の暮らしを支える寮長寮母という仕事があります。寮に住み込み、寮生が安心して毎日を送れるよう、建物の管理と食事づくりを担う仕事です。

寮長寮母は夫婦で働くイメージが強いものの、兄弟や姉妹など家族2名で働く人もいます。親子で働く形の候補として、仕事の中身と応募する前に確かめておきたい点を知っておきましょう。

寮長寮母の仕事|管理と調理を二人で分担する

寮長寮母の仕事は、寮の管理と調理を二人で分担するのが基本です。管理の担当は、朝の見回りや寮生の見送り、荷物の受け取りや来客の対応などを受け持ちます。帰ってきた寮生に声をかけ、体調の変化に気を配るのも大切な役割です。

調理担当は朝食の準備を始め、夕食の片付けを終える夜まで食事づくりを担います。会社によっては事前に用意したレシピがあり、提供人数を入力すると必要な分量を自動で計算する仕組みもあるため、調理師の経験がなくても始められます。野菜はカット済みのものを使うなど下処理の手間も抑えられており、調理補助のパートスタッフと協力しながら進める形です。

親子で応募する前に確かめたいこと

親子で寮長寮母に応募したいときは、まず求人ごとに親子での応募が可能かを問い合わせましょう。求人の多くは夫婦住み込みとして掲載されているため、家族2名での応募を受け付けているかの確認が必要です。

待遇の面では、住居費と光熱費を会社が負担することもあります。採用時の引っ越し費用も会社が持つ場合があるため、条件によっては移り住むときの出費を抑えることも可能です。一方で、管理人の居室に家具や家電が備え付けられておらず、自分たちで持ち込む必要がある会社もあります。

勤務の面で知っておきたいのが、休憩時間の過ごし方です。昼の中抜けの時間に外出はできますが、二人で働く場合はどちらか一人が寮に残るルールになっていることも珍しくありません。親子で一緒に出かけられる時間は限られるため、休みの取り方まで含めて納得できるかを考えておくと安心です。

なお、寮長寮母の求人は、以下のページからご覧いただけます。気になる方は、あわせてご確認ください。

まとめ

親子で働く形は、家業を継ぐ働き方から住み込みや在宅の仕事まで幅広くあります。どの形を選んでも、親と子どもでは得られるものも抱える不安も違うため、仕事選びと同じくらい始める前の話し合いが大切です。

役割やお金のことなど、働き方の決まりごとを先に話しておけば、親子の関係を守りながら長く働き続けられます。住まいごと新しい土地へ移る働き方も視野に入れると、親子で選べる道はさらに広がるはずです。

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