持ち家をお持ちの方のなかには、住み込みの仕事に興味を持ちながらも、「今の家をどうすればいいのか」という悩みで足が止まってしまう方もいます。
ただ、持ち家がありながら住み込みで働き始めた方は、実際に大勢いらっしゃいます。
大切なのは、家を「残すか、手放すか」の二択で急いで決めることではなく、どんな選択肢があるかを知ることです。
持ち家の扱い方には複数の方法があり、住まいの移動にまつわる負担を軽くする仕組みも用意されています。(応募状況により詳細は異なります。)
この記事では、住み込みの仕事を検討中の方に向けて、持ち家についての考え方と、後悔しないための確認ポイントを整理します。
ご自身にとって無理のない答えを見つける参考にしてください。
住み慣れた家を離れる不安は、自然なもの
住み込みの仕事を考えたとき、多くの方がまず感じるのが、住み慣れた家を離れることへの不安です。
これは特別なことではなく、長く暮らした家に思い入れがあるからこそ生まれる、自然な気持ちです。
まずはその不安を、無理に打ち消そうとせず受け止めるところから始めましょう。
家や地域への思い入れからくる不安
家は単なる住居ではなく、家族と過ごした時間や思い出、庭や周囲の風景への愛着、いざというときに戻れる場所という安心感が積み重なった場所です。
加えて、長く付き合ってきたご近所や、慣れた病院・お店といった地域とのつながりから離れることに、寂しさや心細さを感じる方もいるでしょう。
こうした不安は、建物をどう扱うかという実務的な問題というより、これまでの暮らしが変わることへの気持ちの部分が大きいものです。
だからこそ、まずは自分たちがその家や地域に何を感じているのかを、夫婦で言葉にしてみることが、考えを整理する第一歩になります。
家を空けることへの現実的な心配
家を残す場合は、留守中の管理や費用といった現実的な心配も出てきます。ただ、これらは「どう管理するか」を決めれば見通しが立てられるものでもあります。
これから紹介するように、自分たちで管理する、家族に頼む、賃貸に出す、専門サービスを使うなど、選択肢は一つではありません。
また、勤務地についても、応募や面接の際に希望を相談できる場合もあります(希望がすべて通るとは限らないため、実際の配属や勤務地の決まり方については応募時にご確認ください)。
自宅から戻れる範囲かどうかをあらかじめ確認しておけば、「遠くに配属されて家に戻れない」といった心配も、事前にある程度見通しを立てられます。
手放すだけではない、持ち家についての選択肢

持ち家を「残す」か「手放す」の二択で考えると、どうしても答えを出しにくくなります。持ち家の状態や家族構成、経済状況、勤務地、将来戻る可能性などによって、合う方法は人それぞれだからです。
はじめから一つに決めず、まずは残して様子を見る、一定期間後にあらためて考えるといった段階的な判断も選択肢の一つです。
そのまま残し、自分たちで定期的に管理する
将来また今の家に戻りたい方や、今はまだ持ち家の扱いを決めたくない方、定期的に自宅へ戻れる見込みがある方には、家をそのまま残し、自分たちで管理する方法が向いています。
検討する際には、どの程度の頻度で帰宅できるか、換気や通水、清掃をどう行うか、防犯や火災、災害への備えはどうするか、金銭的な負担はどれぐらいかなどを把握しておくと安心です。
家を残せる安心感がある一方で、管理の手間や費用が続く可能性もあることは、あらかじめ念頭に置いておきましょう。
家族や親族に管理してもらう
家族や親族に管理をお願いするのも一つの方法です。定期的に家の様子を見てもらう、郵便物や庭の手入れを頼む、緊急時の連絡先になってもらう、あるいは家族や親族に住んでもらうといった形が考えられます。
この方法を選ぶ場合は、誰にどの範囲までお願いするか、鍵や連絡先をどのように共有するか、管理にかかる費用を誰が負担するか、故障や災害があったときに誰が判断するかといった点をあらかじめ決めておきましょう。
家族だからと曖昧にせず、お願いする内容や費用について事前に話し合っておくことが欠かせません。
賃貸に出して活用する
家を賃貸に出して活用する方法も有効策の一つです。持ち家を所有したまま活用でき、人が住むことで空き家状態を避けながら家賃収入を得られる可能性もあります。
一方で、賃貸に出せる状態かどうか、入居者募集や管理を誰に任せるか、管理費や修繕費を含めて負担がどの程度になるか、将来戻りたい時期と賃貸借契約の期間が合うかといった点は、事前に押さえておきたいところです。
入居者がいる間は自由に使えなくなることも、理解しておかなければいけません。賃貸に出せば必ず収入になる、管理の心配がなくなるとは言い切れない点にも留意しましょう。
空き家管理サービスを利用する
専門の空き家管理サービスを利用する方法もあります。建物の外観確認や室内の換気、通水、郵便物の確認、庭や設備の状態確認、異常があった場合の報告など、サービスの内容は事業者によってさまざまです。
利用する際は、どこまで対応してもらえるか、訪問の頻度、毎月の費用、緊急時の対応範囲、清掃や修繕が別料金かどうかを確認し、自分たちが求める管理内容と合っているかを見極めましょう。
家を手放すことも一つの選択肢
今の家に戻る予定がない、維持管理の負担を減らしたい、今後の暮らしに合わせて住まいを整理したい、売却した資金を今後の生活に役立てたいといった場合には、持ち家を手放すことも現実的な選択肢の一つです。
一方で、思い出のある家を失う寂しさや、戻る場所がなくなる不安を感じることもあるでしょう。「手放す」ことだけを前向きな決断とし、「残す」ことを決めきれない状態と見なす必要はありません。
どちらも、今後の暮らしや家族の事情を考えたうえで選んだ最適な答えです。
住み込みの仕事を選ぶときに後悔しないための確認リスト

持ち家についての考え方が少し整理できたら、次は住み込みの仕事そのものについてもチェックしましょう。ここで紹介する項目は、実際に住み込みで働き始めてから「聞いておけばよかった」と感じやすいポイントでもあります。
ひとつずつ完璧に答えを出そうとせず、夫婦で話しながら考えを深めていくつもりで読んでみてください。
どのくらいの期間、住み込みで働きたいか
まず確認しておきたいのが、どのくらいの期間、住み込みで働きたいかという点です。この見通しがあるかどうかによって、持ち家の扱い方に対する考え方も変わってきます。
納得のいく答えを見つけるためにも、次のような問いを夫婦で話し合ってみましょう。
- 数年間を想定しているのか
- できるだけ長く続けたいのか
- 仕事を終えたあとは今の家に戻りたいのか
- 将来別の地域へ住み替える可能性があるのか
働く期間によって持ち家をそのまま残すのか、別の方法で活用するのかという考え方も変わってくる可能性があります。
今の時点で明確な期間を決められなくても、まずは夫婦で大まかな希望を共有するところから始めてみましょう。
勤務地と自宅の距離はどのくらいになりそうか
次に確認したいのが、勤務地と自宅の距離です。休日に自宅へ戻れる距離か、家で問題が起きたときに対応できるか、近くに管理を頼める家族や親族がいるか、遠方への配属となった場合も対応できるかを確認しましょう。
定期的に自宅へ戻れるかどうかは、自分たちで管理する場合の判断材料になります。勤務地について希望をどこまで伝えられるか、配属前にどのような説明があるかは応募先に尋ねておくといいでしょう。
住み込み先では、どのような生活になるか
住み込み先での暮らしがどのようなものになるかも、事前にイメージしておきたいポイントです。
夫婦で暮らす居室の広さや設備、用意されている家具や家電はあるのかなど事前にチェックしましょう。
自宅から何を持っていくか、残した家財をどこで保管するか、私物をどの程度持ち込めるかを確認しておくと安心です。住み込み先の生活環境がわかると、自宅の家財を残すのか、整理するのかも考えやすくなります。
実際にどのような部屋で、どのような暮らしになるのかは、応募先に見学や説明を求めることで具体的にイメージできるはずです。
持ち家の維持や管理に、どの程度の負担がかかるか
持ち家を残す場合には、その維持や管理にどの程度の負担がかかるのかも具体的に確認しておく必要があります。
固定資産税や修繕費、自宅へ戻るための交通費、賃貸に出す場合の管理費や修繕費など、費用の項目を一つずつ洗い出してみましょう。
家を残すことで得られる安心感と、費用や管理の負担は分けて判断しておきたいところです。
費用がかかるから手放すべき、安心できるから残すべきと決めつけず、夫婦にとって無理のない範囲かどうかを考える材料として扱いましょう。
住み込みの仕事を終えたあと、どこで暮らしたいか
先の話にはなりますが、住み込みの仕事を終えたあと、どこで暮らしたいかについても、少し考えておくと選択肢が整理しやすくなります。
今の家へ戻りたいのか、子どもや家族の近くに移りたいのか、別の地域へ住み替えたいのか。将来の暮らしがまだ明確でなくても構いません。
答えを決めるための質問というより、持ち家を残したい理由や、手放すことに不安を感じる理由を整理するための項目として考えてみてください。
家族にも確認しておきたいことはないか
家族の意向も確認しておくと、後々の行き違いを防ぎやすくなります。子どもや親族が家を利用したいと考えていないか、将来的な相続について希望があるか、家を手放す場合に家族へ伝えておきたいことはないかを必要に応じて聞いておきましょう。
持ち家は夫婦のものであっても、子どもや親族にとっても思い出の場所になっている場合があります。
最終的な判断を家族に委ねる必要はありませんが、後から認識の違いが生まれないよう、必要に応じて考えを聞いておくのも一つです。
まとめ
持ち家問題について、すぐに答えを出す必要はありません。家をどうするか迷っている段階でも、住み込みの仕事について話を聞いたり、仕事内容や生活環境を確認したりすることは可能です。
実際の条件を知ることで、自宅へ戻れる頻度やどのような管理方法が現実的かを考えやすくなる場合もあるでしょう。
決めてから動くのではなく、動きながら考えるという順番があってもいいかもしれません。まずは話を聞き、自分たちの暮らしに合う働き方かどうかを確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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