都内女子寮

本間夫妻

夫婦で協力し合い、笑顔で支える日々。現役の寮長寮母が語る仕事のリアル

共立メンテナンスで寮長寮母として働く本間さんご夫婦にお話を伺いました。北海道から関東へ移住し、現在は女子寮で約90名の学生・社会人の生活を支えるお二人。
応募を検討している方の疑問や不安を解消すべく、仕事の実情から働く上でのコツ、やりがいまで詳しく語っていただきました。経験者ならではのリアルな声を通じて、寮長寮母という働き方の魅力をお伝えします。

——まずはお二人の自己紹介をお願いします。

寮長:現在、都内女子寮で寮長を務めています。寮長寮母の仕事に携わるようになってからは13〜14年ほどになります。
最初は共立メンテナンスとは別の寮運営会社で働いていましたが、コロナの影響でその会社が廃業となり、共立メンテナンスに転職して現在4年目になります。

寮母:私も主人と同じタイミングで寮母の仕事を始めました。現在も寮母として、主に食堂での調理や発注業務を担当しています。

——この仕事を始める前は、どのようなお仕事をされていましたか?

寮長:以前は北海道で運送業に従事していました。ただ体力的に厳しくなり、また子どもが3人とも独立したタイミングで、雪のないところで暮らそうと考えるようになったんです。雪かきをしない生活ができたらと思い、夫婦で一緒にできる仕事を探しました。

寮母:私は長年専業主婦として過ごしてきました。子育てが一段落したあと、夫と一緒に働ける仕事を探していたときに、寮長寮母という働き方を知り、挑戦してみようと思いました。

——寮長寮母という働き方を知ったきっかけは何でしたか?

寮母:最初に見つけたのは新聞の求人広告でした。北海道新聞に「夫婦でできる仕事」と載っていたんです。住込みで働けることや、夫婦2人で仕事ができる点に魅力を感じました。
試用期間3か月という条件でしたので、合わなければ辞めればいいし、とりあえずやってみようという気持ちで、私から夫に提案しました。

寮長:私はどこでもついていきます、と答えただけです(笑)。妻に背中を押されて始めた仕事でした。結果10年以上続いているので、新聞で寮長寮母の仕事を見つけてくれた妻には感謝しています。

——入社前に不安だったことはありますか?

寮長:良い意味で前職とのギャップは感じましたね。手探りで何でも自分たちでこなさなければならない環境だったので、共立メンテナンス入社後の研修には驚かされました。詳細に整えられたマニュアルがあり、教育体制もきちんとしていたからです。
正直に言えば、これまでとは全く違う働き方になるので、うまく馴染めるか不安を覚えました。特にパソコン業務には苦手意識がありましたが、実際には研修や周囲のサポートが手厚く、時間をかけて自然と慣れることができました。

寮母: 私は調理面で不安がありました。前の会社では衛生管理も曖昧で、食材や調味料を手作りすることもありました。共立メンテナンスに入社してからは調理に関してもマニュアルが整備されていて、逆にこれが本来のやり方なんだと学ぶことができました。
基礎知識を改めて覚えることは大変でしたが、研修で丁寧に教えていただけたので安心して仕事を始められてよかったです。

——現在のお仕事内容について詳しく教えてください。

寮長:私の一日は朝7時に寮を開け、見回りから始まります。寮生におはようと声をかけながら送り出し、午前中は宅配や業者対応、施設の巡回。午後は清掃後のチェックやメンテナンスの立ち会いをします。
夕方は再び宅配や業者対応、寮生からの相談ごとへの対応。夜は帰寮状況を確認し、最終的には深夜0時頃に見回りをして一日が終わります。
寮長寮母役割について、基本的には役割分担が決まっていますが、女子寮という特性上、女性特有の体調不良や相談事については寮母が対応するようにしています。寮生との関わり方について、お互いがフォローし合う体制を取っています。

寮母:私は朝5時に厨房に入り、5時45分にパートさんが来るまでにご飯や味噌汁、副菜を準備します。6時半から朝食提供、その後は発注業務。昼は休憩を取りつつ、夕方から再び厨房に入り、夕食を準備します。

パートさんとの連携や、発注の管理も大切な仕事です。食品発注はシステムが人数に応じて自動計算してくれるので、慣れれば難しくありません。

——お仕事で気をつけていることや心がけていることはありますか?

寮長:寮生の考え方や価値観は十人十色。適度な距離感を保つことを心がけています。相談されたことには丁寧に対応しますが、こちらから積極的に関わりすぎないよう注意しています。

ただし、顔を合わせた時の挨拶だけは必ず行うようにしていますよ。「おはようございます」「お帰りなさい」といった声かけは大切ですね。

寮母:美味しい食事の提供や衛生面の管理はもちろんですが、パートスタッフさんとのコミュニケーションを特に重視しています。朝と夜で異なるパートスタッフさんが働いているため、情報共有や連携がうまくいかないと円滑な作業ができません。双方の架け橋となるよう心がけています。

大勢の人への調理の仕事と聞くと、最初は不安かもしれませんが、マニュアルが整っているので心配ありません。切り方から火の入れ方まで丁寧に指示がありますし、研修で実践的に学べます。

家庭でご飯をつくってきた経験があれば十分。人参がカット済みだったり、ジャガイモが茹でてあったり、下処理済みの食材を使うことも多いので、思っているより負担は少ないです。

——寮生とのやり取りで、心に残っているエピソードはありますか?

寮母:インパクトのあるエピソードは思いつきませんが、寮生との日常会話で嬉しくなることはたくさんありますね。「今日の料理美味しかったよ」「嫌いだったナスがここに来て食べられるようになったの」といった寮生からの一言が何より励みになります。

こちらから積極的に声をかけることは控えていますが、寮生から「就職が決まったよ」といった報告などを受けると、とても嬉しく感じます。

寮長:私はコロナ禍での対応が印象に残っています。感染した寮生には部屋まで食事を運んだり、代わりに薬局へ薬を受け取りに行ったり。本人からも感謝されましたし、保護者からお礼の電話をいただいたときは、この仕事をやっていて良かったと感じました。

——この仕事でやりがいを感じる瞬間を教えてください。

寮長:寮生が笑顔で「ただいま」と帰ってきてくれる瞬間ですね。無事に日々を過ごせる環境を提供できているのだと実感します。

寮母:先ほどのエピソードのように、寮生たちに「おいしかった」と言われることがとても嬉しいです。その人の身体や心を満たすような食事を提供できるよう心がけているので、感謝の一言をもらえると疲れも吹き飛びます。

寮長:あとは正直なところ、経済面でのメリットも大きいです。家賃や水道・光熱費がかからず、食事も提供されるため、出費を大幅に抑えられます。

寮母:夫婦それぞれに休日があることで、適度な距離感を保ちながら働けることも魅力ですね。一緒に働いていながらも完全に同じではない、という絶妙なバランスが夫婦関係にも良い影響を与えていると思いますよ。

——年齢や体力面で不安がある方に、伝えたいことはありますか

寮長:確かに拘束時間は長いですが、日中に自由時間があるため、都心への外出や家族との時間も十分に取ることができます。二人で協力し合える環境であれば、体力的な負担もそれほど大きくないと思います。

寮母:寮母の場合、日中に休憩を取りやすいので、病院などの通院も計画的に行えますし、気分転換で外出もできます。私自身、持病があり定期的な通院が必要なのですが、全く問題なく働けています。

決まった時間に決まった業務を行うルーティンを確立することで、かえって健康管理がしやすくなると感じています。

——寮長寮母のお仕事は、どんな方に向いていると思いますか?

寮長:年齢を重ねても明るく、笑顔で接することができる方が向いていると思います。積極的に話すタイプよりも、相手の話をよく聞ける人の方が適していますね。

こちらから過度に関わることは控えめにしつつ、相談を受けた際には適切に対応する、そんなバランス感覚が大切です。何より、笑顔での挨拶を心がけられる方が理想的です。

寮母:夫婦で協力できることが大前提です。仕事もプライベートも一緒になるわけですから。仲良くなりたい方には特におすすめです(笑)。

——所属している寮について教えてください。

寮長:定員約100名の女子寮で、高校生から専門学校生、大学生、社会人まで幅広い寮生が暮らしています。2023年前に食堂をリニューアルし、現在はカフェテリアやスタディールーム、コミュニティルームを備えています。

以前はRA(レジデント・アシスタント)制度があり、寮生同士でイベントを企画していました。現在は一旦なくなりましたが、歓迎会などは私たち寮長寮母で工夫して開催しています。

——最後に、寮長寮母のお仕事に興味を持っている方へ、メッセージをお願いします。

寮長:経済的なメリットが大きく、夫婦で協力し合えば十分に務まる仕事だと思います。50代から70代の方のセカンドライフの選択肢として魅力的な働き方ではないでしょうか。

寮母:夫婦で協力して働くことが前提ではありますが、調理に関してはパートスタッフさんもいますし、各寮の寮長寮母のつながりもあるので、孤立することはありません。
寮母同士の懇親会や研修旅行もあり、他の寮での工夫や取り組みを学べる機会もあります。同じ立場で働く方々との交流は、私にとって大きな楽しみの一つとなっています。一緒に働ける仲間が増えたら嬉しいです。

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